そしてわたしは、そんなことより別のことに浮かれていた。



「ありちゃーん」



前の席に座るありちゃんを小声で呼んで、背中をつつく。


ありちゃんはこっちに横顔だけを向けて、すこし顔をしかめた。



「なに? しゃべると役員に指名されそうなんだけど」


「えー、冷たいなぁ。 ありちゃんと役員なら楽しそう〜」


「はいはい、そうね」



適当にあしらうと、ありちゃんはまた前を向いてしまった。



「実行委員は男女1名ずつ。 あと模擬店の責任者1名、ダンスの責任者1名な」



むー、つまんないなぁ。


せっかく席が前後になったのに!