「柴くん、ほんっとにごめん……」
「全然いいよ。 さっきから謝りすぎ」
8月末、夏休み明け。
新学期が始まり、数日が経とうとする日の放課後。
わたしは柴くんに謝っていた。
いいよ、って笑ってくれる柴くんにわたしはまた謝って、机にごんっと頭をつける。
うつむいたまま、息をつく。
なんでわたしが柴くんに謝ってるかというと、さかのぼること1時間前……。
「今日のロングホームルームは、八高祭の役員決めするからなー」
教壇に立った先生は、教室を見回しながらそう言った。
ほお、さっそくですか……。
なんて思いながら、わたしには関係ないかと頬杖をついて話を聞いていた。