「……なんすか」
ものすごくいやそうな顔で立ち止まったのは、氷野くんだ。
あの、氷野くん。 さっき体育だった氷野くん。
わたしの憧れの氷野くんが……。
「な、ななな、なんっ」
「茅ヶ崎?」
氷野くんの登場にあわてるわたしに、怪訝そうな顔を向けてくる先生。
いや、だって、あの。
落ち着けるわけないですよ。
「氷野、ひとり暮らしだろ? どうだ、ひとり暮らしは」
「……いきなりだな。 いや、別にテキトーにしてます」
右手にメロンパン、左手に紙パックのフルーツジュースを持っている氷野くんは、かなり甘党と見た。



