「わぁ〜! アメリカのおみやげ……!」
「ぱっと見は怪しいものに見えるよね〜。 特にお菓子とか化粧品とか」
「それは英語だからでしょ」
8月初旬。
お昼過ぎに、ありちゃんが大きなかばんを持ってうちにやってきた。
まるで、家出少女のようなありちゃんを中に迎え入れ、今はアメリカみやげを渡しているところ。
「このアクセサリーかわいい〜! 百華のお母さんセンスよすぎ……!」
ありちゃんはうれしそうで、内心お母さんナイス!とつぶやいた。
先月の末に、お父さんとお母さんが帰ってきたけど、予定よりはやく向こうに戻ってしまった。