「冗談冗談。 なにかあったら相談しろよ? 親御さんがいないってのは、茅ヶ崎が想像してるよりつらいもんだからな」
「それはどうも。 ところで、先生はひとり暮らしですよね? 自炊たいへんですか?」
ころりと話を変えたわたしに、またあきれた顔をする先生。
先生がひとり暮らしできるなら、わたしにだってできると思う。 先生、背が高くて痩せてるし生活力なさそうだから。
「まー、ぼちぼちだよ。 ていうか、ひとり暮らしに関しては……」
「?」
「あ、ちょうどいい。 氷野!」
先生がわたしのうしろのほうを見ながら、そう声を上げた。



