うつむいていた顔を、ゆっくり上げる。 氷野くんは、3組。 わたしたち4組よりもはやく体育館を出たから、前にいる。 氷野くんから、わたしは見えていないのをいいことに、盗み見る。 「はは、百華といると氷野くんを探すくせがついちゃうよ」 「ありちゃん……」 数人の友達といっしょにいる氷野くん。 モテるのに、それを鼻にかけないから友達もたくさんいる。 背、高いなぁ。 あの、大きな背中に抱きついてみたいな、なんて大胆なことも考えてしまう。 ……やっぱり、氷野くんと目を合わせて、会話したいなぁ。