深く聞いてこないのは、氷野くんの優しさだと思って受け取っておこう。
「そっか。 あとさ、言ってなかったんだけど」
「?」
な、なんだろう……。
廊下の端っこ、まばらに生徒が通る場所で氷野くんとふたり向かい合う。
わたしがなんのために、職員室に行くってウソをついたと思って……!
と、ちょっとだけ怒りたい気持ちになったとき。
「お隣さんなこと、秘密にしとこ」
人さし指を口もとにあて、イタズラっぽく笑う氷野くんがいて。
わたしの怒りなんて、すぐにしぼんだ。
「ひ、秘密……」
な、なにそのドキドキする響き……!



