うーん、我ながらむりがあるな。
でもさ、だって! 氷野くんがお隣さんなことは、ありちゃんにしか言ってないもん!
「え、見間違い? でも茅ヶ崎、なんで知ってるの、って言ったよな?」
で、ですよねー!
廊下のあちこちに視線を向けてみるけど、なにも言葉が思い浮かばない。
これ、言うしかないの!? ピンチ!
「あ、柴犬」
「!?」
わたしと柴くんの前に、現れた人物。
するっと発された"柴犬"という言葉に、柴くんの眉がぴくりと上がる。
「なんだよ、氷野、ケンカうってんの?」
「いや別に。 つか、中学のときからこう呼んでんじゃん」



