「本格的な梅雨に入ったね〜。 ここ1週間は雨降ってない?」


「うん。 そのせいで寝不足」



眠そうな声で、氷野くんが答える。


いつもだったらもっと遅い時間に家を出る氷野くんにとっては、つらいのかも。



でも、その氷野くんのがんばりのおかげでいっしょに登校できる。


梅雨、最高です!!


思わず、小さくガッツポーズしてしまう。



「ちゃんとカサさしなよ」


「わっ」



氷野くんが、わたしのカサを引き寄せようと手を伸ばす。


それは自然と体も近くなって、わたしは雨なんか気にならないくらいドキドキする。


出たよ、無自覚……!