「テスト終わったからって夜ふかししちゃだめだよー!」
「!」
大きな背中に向かって、そう言ってみた。
わたしがタメ語になったのにびっくりしたみたいだけど、氷野くんはこちらを振り向いて、笑った。
「ん、しないよ。 ももじゃないし」
「な! わたしもしないよ!」
敬語はやめよう。
まずは、氷野くんと仲のいい友達になれるように。
前もそう決めたけど、今回は違うんだ。
ちゃんと、女の子として意識してもらえるように……。
関係を変えるのは難しいけど、がんばらなきゃなにも始まらない。
いつか、想いを伝えられるかな。