純情ラバーズ






あ、危なかったー! カレーをこぼすところだった!


気を取り直して、お皿を持ち直し、お玉をカレーにつけたとき、背後に人が立った気配がした。



「ぎゃっ!?」



さっきとは違う意味で、叫んでしまった。


氷野くんの手が腰に回ってきて、わたしの肩にアゴを乗っけてくる。



「うまそう……」


「ど、ドウモアリガトウゴザイマス」


「なんでカタコト?」


「…………」



氷野くんの低音ボイスが耳もとで聞こえるせいで、わたしはカレーどころではない。


な、なんでこんなに密着してるの!?


普通に横から見てくれたらいいのに!