純情ラバーズ






暗い顔を氷野くんに向けてそう言っただけなのに、なぜか笑われた。



「へ?」


「いや、この世の終わりみたいな顔してるから」


「終わりですよ……」


「大げさ。 俺が退治するって。 カレーも食べたいし」



そう言って氷野くんは立ち上がると、気軽な感じでキッチンへ行ってしまう。


えっ、ウソ……キッチンはゴキブリがいる戦場ですよ!?



「見た感じいないけど」


「ひいいい〜どこに逃げたんだろ……」



キッチンをうろうろする氷野くんの背中を部屋から見つめる。


ずっと同じところにいるわけないけど……キッチンのどこかにいるのに!