はやいとこうちから出てってくれないかな!? マジで! お願いだから!
……という願いも虚しく、ササッと動く影をとらえてしまって、声にならない叫び声を上げる。
ひとりでなんとかするしかないのに。
誰か退治してくれる人いないかな……。
ーーピーンポーン。
「!?」
救世主か!?
チャイムの音を聞いて、反射的に部屋から飛び出る。
ヤツから距離をとるように洗面所やトイレのドアに背中をくっつけながら、玄関へと向かう。
「はい!」
「うわ、なに」
誰かも確かめずにドアを開けると、思いも寄らない人が、そこに立っていた。