「え、えっと〜……英単語、ですかね」


「英単語ねー。 覚えるの苦手?」



改めて確認されると恥ずかしくて、無言でこくんとうなづく。


なんてアホなんだ自分……と思いながら、お茶に視線を落とす。



「んー覚えるの難しいよね。 俺も苦手」


「そうなんですか……!」


「とりあえず書いて覚えるしかないね。 サボらないように見ててあげる」



わたしの向かいに座る氷野くんは、頬杖をつくと、にっと口角を上げてわたしを見てくる。


へっ……どんな状況なの、これ!?



「始めないの?」


「いやあの、氷野くんもぜひ自分の勉強をですね……」