あたしが言うと、いやいや、20代と30代の間には大きな壁があるんだよ、色々な面でねって笑う。

「君はいくつですか?」

 質問されると思ってなかったから、ビックリした。

「今、21歳です」

 すると彼はキャップを外して額を腕でこすり、また被りなおして言った。

「・・・俺を気に入ってくれるのは本当に有難いんだけど、21歳の子を恋愛対象の女性としてみるのはあまりないと思うんだ、自分では」

 ガーン!

 軽い、あなたが気に入ったぜってレベルの告白で、先に牽制されてしまったわ・・・。ああ、やっぱり慣れてるのかな。こういう職業の人って憧れ対象になりやすそうだもんなあ~・・・。

 あたしは凹んだけど、どうせここまで来たならと、もうちょっと頑張ってみる。

「あまりないって、どのくらいですか?」

 唇を尖らしたあたしをちらりと見て、暫く考えてから口を開いた。

「・・・・90%、ない」

 ガクン、と膝が抜けるような感覚があった。慌ててお腹に力を入れて体を支えた。

 プールの水槽に片手をついて、何とか息をする。

「・・・え。大丈夫?」

 差し出された手を、大丈夫ですと手を振って辞退する。



 ――――――――90%、ない。


 言葉が頭の中でぐるぐる回ったけど、あたしは何とか微笑んで彼を見上げた。

「・・・100%無いんじゃないんですね・・・」

 よっこらせ、とババくさい掛け声で体を起こした。