あたしの手の届かないところまで逃げて、雅がにやりと笑った。

「そうやて。良かったなあー!!芽衣ちゃーん!!!」

 赤くなった頬を両手で押さえて立ち尽くすあたしと、楽しそうに笑う彼を残して雅は逃げ去った。

 ・・・・・あの・・・ガキ~・・・。

 うろたえるあたしを振り返って、彼が聞く。

「ショーは気に入って貰えましたか?」

「えっ!?」

 ハッと彼を向いた。優しい笑顔であたしを見ていた。更に体温が上昇する。

「・・・ええと・・はい!久しぶりだったし、感動しました!」

 自分の気に入った箇所をいくつか言う。あたしだって彼だけをみていたわけじゃあないんだぞ!・・・ま、ほとんど男ばかりを目で追ってたけど・・・。

「良かった。是非また来て下さい」

 親に促されて立ち去る子供達に手を振りながら、彼があたしに言った。

「・・・来てもいいんですか?」

「え?」

 掃除の人と彼とあたしだけになってしまったイルカプールのそばで、あたしはつい言ってしまった。

 積極的な雅に感化されてたとしか思えない。

「・・・イルカでなく、あなたが目当てになりそうなんですが・・・」

 彼は驚いたように少し目を見開いた。

「・・・今の若い子は大胆なんだな~」

「若い子って。・・・お若いじゃないですか」