ショーが終わると雅をダシにしてイルカたちに群がる子供たちに混じって下に下りて行き、目的の彼を捕まえて、素敵でしたと感想を述べた。

「ありがとうございます」

 ショーで濡れた服のまま、ニコニコして彼が笑う。

 ・・・・ああ・・・爽やか。光り輝くような笑顔だわ~・・・と胸きゅんで見詰めていると、雅がぐいっと前に出て、彼に向かって大きな声で言った。

「芽衣ちゃん、兄ちゃんのことが好きになってしもてんで!!ずっと格好いい格好いいばっかりでうるさかったわ~!」

 けらけらと笑う。

 あたしは真っ赤になって雅を抑えた。

「ちょっと、雅ー!!」

「何よ、ほんまのことやんか」

 二人でばたばたするのを、苦笑しながらも楽しそうに見ていた彼に、あたしの手からもがきながら雅が質問を飛ばしていく。

「兄ちゃん、なんさーい?」

 彼は自分を人差し指で指し、俺?って確認してから答える。

「30歳」

 えっ!??・・・見えない。童顔~。あたしが一瞬力を抜いたのを見逃さず、雅があたしの腕から逃げ出しながら更に聞いた。

「ほんで、彼女おるん?あ、30やったら奥さんと子供か」

「こら!雅!」

 怒鳴るあたしとは反対に、あははと爽やかに笑って彼が言った。

「彼女も、奥さんもいないよー」