アバター

優子はあきらめていた。社長を殺し。私のアバターから「屋上から飛び降りろ!」と言われ、もうどうする事も出来ない。叫んでもだめだ。助かる術は、この身体を誰かが押さえ込んでくれるのを待つしかない。
周りの男は、かなり離れて見ているだけだ。
「腰抜けー!」

もう屋上の手摺だ。あすこをよじ登って、地面に叩きつけられるのだ。屋上は七階だ。助かる見込みはない。身体がグチャと潰れるのだ。

私のアバターは消えている。しかし身体は言うことを聞かない。
優子の身体は、胸まである手摺をよじ登っている。なぜ私がこんな目に遭うの、何も悪いこともしてないのに、まだ、結婚もしていないし、彼氏がなんと思うの「殺人者!」
お母さんが可哀想。