そのうちぐずぐず言い出す私を、耳元でそっと笑った都世知歩さんは「ご飯、作って待ってた?」といいだした。
言ったきり、暫くの間子どもみたいに泣きじゃくる私の傍にいてくれた。
「…でも、あこめ」
「……あい」
「俺言ったよな。『鍵開けないように』って」
「……は、い」
「だから凄く怒ってる」
思わず身体を引いて都世知歩さんの顔を見ると、突き合せた彼はわざとらしく口を尖らせてから笑顔になった。
「でも、衵が俺の帰りを待ってて浮かれたんだってことくらい判るから」
な、って。
「ど、」
「?」
「どうやってあの人」
私が目を瞑ったあの瞬間、何が起こったのかを問う。
都世知歩さんはぽかんと「ああ…」と呟いた後口を割った。
「あれは、回し蹴りした…」
「!?」
聞き間違いか。
