理想の都世知歩さんは、





高校時代からそんな感じである。

誰の人の中にも変態は潜んでいると呟いていた。何故か生物学の本を読んでいた都世知歩さんが。


「っていうかさ、ここに凄くカッコイイ高校生?住んでない?」

「…高校生?」


壁際でクッション背にして座る二雲に対して、まだ立っていた私の腕を引きながら彼女は言った。
けれども隣に座るよう促される私は高校生なんて見たことない。

「さっき衵待ってるときにここの前で擦れ違ったんだけど」


格好良かったなぁ、なんて呟く二雲は「知らない?」と続ける。

ワンクッション置いてまさかと身震いした私が訳を口にする前に、彼女は「お化けじゃないよ」と冷たい釘を刺してきた。


「じゃあここの人ではなかったのかな…。そういえば今ルームメイトの人は?」

「シゴト」

「そうか…残念。じゃあその人でもないよね…まあそれ関係なしに会ってみたいけど。凄く」

グッとコップを持つ手に力を込める二雲。

「その人は制服だったの?」

「うん、そう」

「都世知歩さん制服は着ないだろうからな~」


思わず笑うと、二雲も「わかんないじゃーん」と楽しそうに笑った。

だって格好良かったんだもんそうかと思って、と続けている。


格好良い、ねえ。

近所に住んでいたとしても私には思い当たらなかった。

ん?


待てよ、格好良い?


「二雲、もしかして」

「え、何!?何か思い当たる人いた!?」

「うん…。その人綺麗なブロンドっぽい髪だっ「ううん、蒼っぽい黒だった」
「そうですか」


ですよね、流石に高校生では無理があったよね。

律くん都世知歩さんと同い年くらいに見えるとき多いし。

それにもうイケメンは要らんと思う。そろそろ中村さんが狙ってると思ってしまいそうだから。