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最近、都世地歩さんが変わった。
何故かは分からないけれど、疑るように眸を向ける。
自分では気付いていないかもしれないけれど、確めるように視線の先で掬う。
私は、その度に心臓が痛くて、痛くて。
どんな顔をすればいいのかわからない。
ある二月の夜。
部屋にいると、ノック音の後すぐにドアが開かれた。
「ぎゃっ」
仰天しつつドアに視線を向けると、何故か都世地歩さんが枕を持ってそこに立っていた。
「都世地歩さん!ノックの後すぐドア開けたらノックの意味ないっていつも」
「うん、ごめん」
「…」
彼は真剣な眼差しで勝手に私の部屋に入り、部屋の中心まで進むと立ったまま座っていた私の腕を引いた。
「え!?な、なん」
「寝て」
寝てって何だ!?
「話したいことがある」
いつになく真剣な声で、表情で云う都世地歩さんに何も言えなくて、私はおずおずと既に引いてあった布団に寝転がる。
すると電気を消し、隣へ。
私は、心臓がいたい。
「ど、どうしたんですか、畳の上痛くないですか」
「うん」
仰向けな私と、私の方へ身体を向ける都世地歩さん。
隣なんて、もう自覚する前のようには見れない。
