理想の都世知歩さんは、





小さくなりかけた声を、自ら。


言い聞かせるように元通りにしようとしていた。



「へー」


和平が真っ直ぐ顔を上げるから。

思ったことを言わないでおくべきだと思った。


「で、宵一の見た目はどこがすきなわけ」

「ッハイ!?」

「お前急にオヤジみたいな顔になるなよ…びっくりするだろ、皺凄いよ」

「地顔だよ…」


「…。で?」


見慣れない髪の下、オヤジ顔の和平を挑発するように掬うとすぐ乗せられてやって来る。

単純オヤジめ。


「天辺から言いましょうか」

「是非」


和平は、顔を真っ赤にして大きく息を吸い込んだ。


「ダークブラウンの髪から好き。前髪も見下ろされる時目元に影を落とすしりっちゃん知っているかもしれないけど、料理する時いつの間にか耳に掛けたりしていてそれも凄く格好良いと思いませんか思いますよね。それからダイニングテーブルで転寝してる時なんか気が付くと自分の前髪の擽ったさで目擦ったり起きたりしちゃうの!可愛すぎるよね!?何で!?」


「寝癖も異様なんだった」と口にする。


それは可愛いに含まれているのか?