理想の都世知歩さんは、





ほんとこの人何していたの?


「しっかりしろっ」

「え!?あえ、ちょっと待っ…まってまってまって!!!ひゃああああああ」

「苦しいの!?」

「ち、ちがうちがう!!下ろ…っ」


朝から、心臓に悪いよう……。


突如何故か私を抱えようと布団を剥いで腕を回した都世地歩さんにされるがまま身体は浮かんで、浮遊感に鳥肌が立って必死になってしがみつく。

下ろせと叫んで下ろしてもらう。


ときめく暇もないそれを前にして、当人はどこかおろおろと私を見つめていた。


え、ほんと何なの…。


「あの、どうかしたの…何か、クマが見えるような」

「寝れなかった」

「えっ」


下ろされて横になった体勢に戻る私の傍で正座をきめる都世地歩さんを、宇宙人と目が合った時用の見開きった目で見つめると、ふい、と顔を背けられた。


都世地歩さん。みみが、あかい。



「ごめん。ホームシックで泣いたりするんじゃないかとおもった。袿にも報告しないとって」



「そ、そんな何回も掛からないよ…」



私もつられてみみがあつくなる。




会わないでいた間変わったことで、気が付いたこと。



「袿」「宵一」

いつの間にか、都世地歩さんと兄ちゃんが友達になっていたこと。


それから。


都世地歩さんが少し、心配性になったらしいこと。




ほんと。



心臓に悪い。