もしかしたら都世地歩さん、覚えていなくてもお祭り行くんじゃないかな、とか。
考えてはみたけれど。
冷静になればなるほど、それは私の期待だろうなって思ってしまった。
「衵」
ぼんやりしていると、兄ちゃんの声がした。
「お前の言う『だいじょうぶ』に、あまり本当の意味が無いことくらい兄ちゃんでもわかります」
「え」
「えじゃありません」
「…」
「何その目」
突然兄ちゃんらしい兄ちゃんは少し優しい顔をして、居間にある雑誌ラックから一枚のチラシを手にした。
「はぁ……兄ちゃん焼き鳥食べたーい」
こっちが恥ずかしくなっちゃうくらいわざとらしい相手に、それよりどうして私がお祭りを思っていたのかばれたのか気になった。
「焼き鳥がないとお酒が飲めないよーレポートが進まないよー研究がー」
「どうして分かったの」
「え?」
「えじゃありません」
「…」
「おーい」
すると苦し紛れに声が漏れて来る。
「別に都世地歩くんとそういう話になったとかじゃないけどね、別にね」
「…」
なんだと!?
いつの間に連絡を取り合う仲になった!?
