衵は知っていても女子だからか洋服ほど興味は示さなかったけど、俺の中では父親がヒーローにしか見えなかった。
だからとよちほくんに言いたい、けど……!
ごめん。
箱をテーブルの上に置いて紙袋を畳む。
彼は「持っていいですか」と聞きながら手を伸ばし、頷くと嬉しそうに持ち上げていた。
「うわああすげー!すげーー!!」
想像以上の喜び様。
「俺、小学生の頃からリオンマン大好きで。今リオンマンの跡を継ぐリオンレンジャーが放送されているの知ってますか」
「知ってる!観てる!」
「!」
やっとこさパジャマスタイルフィギュア入りの箱から目を離した彼と目が合って、思い切り嬉しそうにはにかまれる。
「それで俺、その五人組の内の藍色のスーツアクターやらせてもらってます」
「え、あの影のヒーロー、塩味智途演じるアイリオン……!?」
こく、と頷くとよちほくん。
凄い。
凄いことだよそれ。
衵、おまえ凄い人と同居してたよ……?
「ん、あれじゃあ、中身だけってこと?スタントのみ?」
「はい」
「えっもったいない」
「…………衵にも同じようなこと言われた気がします」
またかい。
