理想の都世知歩さんは、





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「ココで合ってたよな……」



手土産を片手に熱くなった砂利を踏む。


背中に回したバックのショルダーを握って、目と鼻の先のアパートを見上げる。


夏の暑さに揺らぐ空間の中、歩みを進めた。



「二階、の、どっちだったっけ……」


一人でぶつぶつ言いながら取り敢えずポストを目指していると、不意に顔の左側から視線を感じてハッとする。



「どちらさま?」



小さく驚いてそちら側を向くと、端整な顔立ちが目に留まる。


少し長めの前髪の下、疑り深そうな双眼がこっちを見ていた。




――――あ。




ダークブラウンの、髪。






「トヨ……イチさん?」


問うと、僅かに眸の疑いが和らいだ。


「トヨちほよイチですけど」

「住所教えてください」


「?」



「宵一」