「…え、と」
小さく仕切り直して、前を映す。
「あっ、こういうのもスーツアクターさんが演じていたりするんですよね、激しいアクションとか」
「うん」
チャンネルを変えた先のテレビの中では、正義の味方たちが何かを守る為戦っていた。
こういう中に都世知歩さんがいるのかと思うと、純粋に凄いと思った。
スーツアクターさんも、都世知歩さんも。凄いお仕事だ。
今まで中の人のことを考えて見たことなんてなかったのに、今ならそれが分かる。
『恰好良い』と、目を輝かせて画面を見つめる子どもたちの気持ちが分かる。
本当に、恰好良い。
「わっ!い、今の痛くないですかね!?崖から落ちましたけど」
「受身とってるから…痛くないってことはないだろうけど」
「へえー…。筋肉が守ってくれるんですかね」
「…」
「そういえば都世知歩さんはマッチョじゃないですね」
細マッチョっていうのかな?
ああ、都世知歩さんはマッチョという言葉が似合わない気がする。
「俺は守られないと?」
「!?違います違います、違います」
「うん、ちがうね」
「すみません」
「俳優イメージのヒーローが突然ムキムキになってたらどうしたのかと思うだろ…肉体改造ドッキリじゃないから。ある程度俳優に近い身体のが使いやすい」
ムキムキ…。
それに、成程とはいいつつも。
都世知歩さんならわざわざ裏方回らずとも両方できるだろうにと思ってしまった。
スタント、というのかな。
アクションも完璧なのに顔出しNGなんて。
彼の容姿を目の当たりにして、今はとんでもない寝癖がついているけれど、やっぱり勿体ないと思ってしまうのは私の依怙だろうか。
依怙だろうな。
