忘れかけていたけれど、都世知歩さんはきっと干渉するなというわりにはオープンな性格である。
まだルームシェアが始まって二ヶ月程しか経っていないけれど、考え様によっては二ヶ月も一緒に暮らしているわけで。
一人暮らしとか女の子とのルームシェアを夢みてた私からしてみれば想像もつかなかったことだろうなぁ、と何だか緩む頬のまま、朝、都世知歩さんの半開きのドアをノックする。
『…暑い気がする』と、寝起き眼の都世知歩さんがこの前起き抜けにそう言っていた。
ドアを開ける理由だと思う。
無反応に頷いて、散らばった短い前髪のハネを手の平で押さえつつ中にお邪魔する。
恰好良い男の人の部屋は皆そうなのかと思っちゃうくらい、都世知歩さんのお部屋は相変わらず爽やかでふわふわとした良い香りがする。にくいくらいだ。
ちょっと羨ましい。
入って左手、私の部屋とは反対の壁際に寄せてあるベッドの上、身体はうつ伏せに顔は壁際に。
通常運行だ。
生活の内、都世知歩さんが割と片付け上手なのは知っている。
手際がいいというか。
そんな部屋にも唯一床に進んではみ出しているのがヒーロー雑誌で。
一見すると可愛らしいが恐らく勉強熱心ともいえるのだ。
『勝手に』とは言われていても起こしたくないから抜き足差し足。
部屋奥の窓際にある小さなローテーブルからリモコンを拾って、都世知歩さんの眠るベッドに恐々寄り掛けるとき、お布団から離れてしまっている彼の背中に素早く布団をかける。
そしてそっと、リモコンの電源ボタンを押す。
