理想の都世知歩さんは、





――――――…




都世知歩さんの部屋から一番離れた片隅で、布団に包まって声を押し殺して泣いた。


二雲は、電話を切らずにいてくれた。

時々「衵は何も悪いことしてないよ」って。私が謝ったことに対して。






けど。




思ったより、大丈夫そう。



沢山泣いたら、次の日には笑っていられたんだから。
















――――うちは、都世知歩さんの部屋にしかテレビがない。


回せるお金がないから買えていなかったわけだけれど、最近、仕事上必要かと頭を抱えていた。

接客中に最近の話題を何も知らないというのはどうなのかと思ったことが切欠。


最寄には小さな電気屋さんしかないから、電車に乗って安価で買えるテレビを探しにいったりしていたとき、都世知歩さんが『…観る?』と唐突に言い出した。


それは、恋心に気付く前の夜ご飯中のこと。


『ここ置く場所ないし、情報メインなら新聞とるにしても朝早い時とか時間とるだろ』

『な、何で知って』

『は?隠してたんですか』


隠していたなら気付かない振りした方がよかったかと箸をとめる都世知歩さんに首を振る。

何も言わないけど、安価テレビ探してるときインターネットページ開いたままトイレでも行ったのかなと適当に思った。


『とりあえず、俺は寝てても朝勝手につけて観ていいから』


逆三角形の目をした都世知歩さんは、有難いことにそう言ってくれた。