「お、お邪魔し」
殆ど片言で隣に眠る衛くんを起こさぬよう身体を起こし言ったものの、恐れに上げることが出来ない頭の上からは何の反応もない為、やはり勝手に人のお家に上がり込むのはまずかったと思った。
どうしよう。
目は最早さめざめとしていた。
そ、そうだ。あれがあった。土下座。
まだ、鬼のような姿を想像する方が簡単だった。胸座掴まれるほどの覚悟ならある。
無言の方が怖いのだ。
だからしよう、土下座。
「ごめんなさい、勝手に部屋上がったりして」
「――…がと」
正座した傍から何やら声がして、伏せていた目を上げる。
小さな小さな声はよく聞こえなかった為、私はまだ恐る恐るといった姿勢で首を傾げた。
…りっちゃんはあのピザ事件の時のように、急にキッと唇を結んだ。
頬がほんのり朱かったが私にはそれさえ怖かったので、再び正座したまま目を逸らす。
すると、りっちゃんは畳に膝をつき。
向かい合って正座した。
私が彼を見ると、彼は寝息を立てる衛くんを心配そうな目で見た。
「だから。…ありがと」
「!」
そっぽを向いて言うりっちゃんの頬は朱く。
そのままちらりとこっちを見たから目が合った。
