「りっちゃ…りっちゃどっか行っちゃった」
「そっかそっか、起きたらいなかったのかな」
肩口の衛くんが頷く。
「あ、衛くん、おうちのカギは?」
閉めたか問う前に顔を上げた彼が首を傾げたので、それは危ないかと思って、「カギがどこにあるかわかる?」と聞いてみるも頭は縦には振られない。
鍵があれば閉めてうちにいてもらえるけど、どうしよう。
開けっ放しはだめだ!
「あ、こめ。あこめ。かえって」
「うん?」
帰って?
どういう意味だろうと思ったら、衛くんが自分の家の方を指した。
あ、自分の家に戻りたいってことか。
「え、と」
「あこめもきて」
やー。
そうできたら、は山々だけど勝手にお邪魔したらだめだよね…いやかもしれないし。
困ったなあ。
衛くんちの鍵を探す…はもっとだめだよね、探るとか空き巣じゃないんだから。
うおお困ったどうすれば!
事実ゴリラのような顔をして悩んでいれば、不審そうに見上げた衛くんと目が合う。
「あ…あのね、りっちゃん怒っちゃうかもしれなくて」
私は前回、初対面の衛くんに思い切り腹パンされてしまった為多少のビクつきが残っている。
情けないけれど!
「なんで?『オンナ』がいないから?」
「……え?」
私はだらだらと冷や汗をかいた。
今、物凄く聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がするから聞かなかったことにしようかな、うんそうしよう双子葉類。
