理想の都世知歩さんは、





言葉と一緒に吐き出された溜息に、下を向きかけ、近づいた影に顔を上げる。


「ばーか」

しゃがむ都世知歩さん。
最近顔を覗きこむことが多くなった。



「ドア、蹴りましたよね…」

「え」

「家壊れるからやらないって言って…」

「言ったっけ。ほら、俺ヒーロー職だから泣いてる子放っておけないしさ」



誤魔化した。


後言うまでもなく寝癖があれだ、ヒーローさん。



「…恰好良いですね…」


「何?泣きそうになってるの誤魔化してお世辞?」


ツンとしている都世知歩さん。

どうしてか、珍しく意地悪い…?


彼はそのまま私の目尻を強く擦って、拭って、「なんか、お前熱くない…?」と呟いた。


「?どちらかというとさむい…」


「は?」


熱いけど、と繰り返して。

目元に触れていた手の平を首へと動かした。



自分のと違って冷たいそれに、肩が上がる。彼は冷静な目で手の先を見ている。



「!?」


「な、ん、都世知歩さ」

「何っだこれ…」

都世知歩さんは「熱測る」と呟き、不意打ちで頬を私のそれに寄せた。


「へ、変な測り方し…っゴホ、ケホ」


「黙って」