翌日は、ニ雲と会う約束の日。
だけど、起きればいい時間よりずっと早く目が覚めてしまったようだった。
頭を向けて眠っている、頭上の窓の外はしんとしている。
遠くで鳴く小鳥の声を耳にしながら、窮屈な呼吸を押し切るように身体を起こす。
気怠さは続いていた。
頭のどこかで痛みが軋みを挙げた。
「…ッゴホ」
埃っぽいのか咳が出て、窓を開けようと立ち上がったら一瞬ふらつく。
寝起きで力が入らないみたい。
僅かな寒気で震える指先を使って窓を開け、風のない外の空気にまたひとつ、咳をして。
これから鳴るであろうスマホの目覚ましを止める為、敷布団の周りを見渡したけれど見当たらなかった。
あれ。
昨日…枕元に置いてなかったのか。
昨晩の記憶を辿って、壁のハンガーに掛けてある、昨日薄手ニットの上に羽織っていた上着のポケットを探る。
指の腹に、硬い感触があって引き上げた。
あった。
しかしそのまま画面を見ようとスイッチを押すも明かりは点かず、充電が切れているのだと思って充電器に繋いで少し待ってみても何もつかない。画面が表示されない。
敷布団の上にもう一度腰を下ろした私は、逸る気持ちを抑えてゆっくり、昨日を辿る。
そういえば昨日、帰ってから触ったっけ…?
ううん。触ってないんだ。
で?
ポケットに入れっ放しだったんだよね…。
そこで、壁の上着を見遣る。
手を伸ばして、裾に触れてみる。
まだわかるくらい濡れていた。
