理想の都世知歩さんは、





「雨が?」


りっちゃんが特に何も続けずに瞼を伏せたため、問うた。


彼は柔らかく笑い声を立てた。


「何で雨?俺は和平の顔のこと言った」

「か、お……顔?」


眉間の皺を深くする。りっちゃんは何だかさみしいような陽気さだ。


雨が降っているからかな。

さみしく映えるの。


「…何」

不審に思って見上げていると、軽く睨まれる。

「笑ったら悪いわけ」


「そういうわけじゃないけど…わかった。変なのはりっちゃんか」


は?と、また睨まれる。

冗談です、と真顔で答える。なかなか迫力あって怖い。



「和平だろ」


ふと突然頬を緩めたりっちゃんが指先を伸ばしたことに驚いて、僅かに後ずさる。


それを何ともしない彼の指が、頬に触れた。


「?」


「衛でももう少し平静を装える」


「……」



声に出しては、言えないけれど。



その意味を理解する前に、眉尻が下がらないよう力を込めることに必死だった。