理想の都世知歩さんは、





「ところで」

朝ご飯を食べ終える頃、顔を上げて言う。

「私もいつも通り出勤ですが、今日は寄る所があるのでちょっと早く出ますね」


はて、と私を見つめた彼に「花屋さんに遣いを頼まれていて。店舗に花を飾るみたいです、ここからが一番近いでしょ」と告げる。


それを聞いた都世知歩さんはキッチンを通り越し、小窓の景色を窺った。


「今日、大雨だから」


そう言われて初めてそうだったと思う。

忘れていたわけでも気付かなかったわけでもないけれど、考えがなかった。


外はとっくにざーざー降りだったのに。


朝から降っていた。



「もう梅雨なのかな…」

「未だだろ」


ふたりして大粒の雨粒を見つめていた。








雨で濡れてしまう服には困るけれど。


雨の日に、晴れの日には少し躊躇ってしまうような洋服を着ようって考えるのが好き。


長靴もレインコートも、どこかのデザイナーさんが「少しでも雨の日が待ち遠しくなりますように」って考えてくれたのかと思うといとおしい。


長靴もレインコートも、今の私は持っていないけどいいんだ。

白枠のビニール傘も気に入っている。


できたら、黄色や藍のマジックで水玉模様とか書きたい。