理想の都世知歩さんは、





「あ。分かった!」


「…」


着席した都世知歩さんは、私の上げた声を無視してお味噌汁を啜っている。

それを見た私は彼の右後頭部から寝癖が飛び出ているのを発見。


「右、右」と教える。

「?」


都世知歩さんは適当に寝癖部分を的中させて触れたが、全く直っていない。

さすが都世知歩さんの寝癖だ。

勝手にするとでも言うかのように踏ん反り返っている。


「全然直ってない、すごい」

「…後で」

彼は焼き魚に箸をつけた。

相変わらず、見事な箸捌き。私がつけた焦げが目立たない…。


「で?」

「へ」

「?」


何だかんだ話を戻して聞き返してくれる都世知歩さんに気付いて、慌てて返事をする。


「そ、そうだ、ねごと」

「は、寝言?」

「うん。都世知歩さんが夜中叫ぶの、何か分からなくて怖かったのですが、分かって」

「…俺寝言とか言うの」

「そりゃもう」

「……」


口元をへの字に曲げている。


照れているんだこれは。