理想の都世知歩さんは、





「大丈夫に決まってんだろお前全部声に出てんだよ」
「イタタタタタタほっぺいたひ」
「お前の警戒心ゆるゆるなの俺の所為かとか責任感じて心配してる」
「!?」
「…文句あるか」

「ないれす」



双方照れた。



「…分かった、言う。教える」


誤魔化しを観念したらしい都世知歩さんは目を閉じた。



「いいんですか!干渉になりませんか」

「衵。素直で宜しい。いいよ別に…“勝手な”干渉じゃないし、許可有りだから」

「成程」


ゴクリと喉を鳴らす手前で都世知歩さんのこの呆れ顔には意味があるのかな。

多分ない。

意味などない。

強いていうなら私のミーハーさに呆れを成しているだけ。



都世知歩さんは綺麗な眸の下、まるで魔法で喋れなくされたかのような口を無理矢理開くようにした。


無理しないでと言いたくなるほどだった。


そんなに?

そんなに嫌なのかな。




「仕事」

「え、仕事って、出版社って言ってた」

「ちがう、…本業」



出た!


ほ、本業!


初めての本業話!


「衵ヤメロ…尻尾振ってるのが見える」

「すみませんつい」
「ぜったいそれ謝ってない」


「それで?」

「…」

「それで!?」


私は美しい、危機から救い出してくれたヒーロー様を追い詰めた。



実際壁際にいるのは私だけど気にしない。