「…」
「少しくらいならジャンプして出来るから。後ろ回し」
「!?ッゴホ」
「大丈夫?…何その目」
「…や」
「やらないから。あれ必殺技だから。家壊れるし」
何っだそれ異常です。格好良すぎるじゃないですか。
だって一瞬だったじゃないですか。と、魚の口になった私は言いたかった。
そういう話しないから都世知歩さんのイメージにない…。
「な、何故出来るんですか」
勢い任せに問う。と、都世知歩さんはあからさまに墓穴掘ったと言いたそうな表情になる。
「…ムスメよ、聞いてくれるな」
ぎゅ、と距離を縮めても無駄だ。
「誤魔化しても無駄です。突然ムスメとか乗り出して怪し過ぎます」
「ええー。言わなきゃだめですか」
私は頷く変わりにじっと都世知歩さんの双眼を交互に見つめた。
都世知歩さんって、何か怪しいところが垣間見える。
情報社会と言われるこのご時世で『都世知歩宵一』という男が占める割合が私の中で少なすぎる。(大袈裟)
私たちの間で取り決められた干渉というバリアが情報を守って放さなかったのだ。
都世知歩宵一。
二十歳。
名前と歳以外は生活の微々たる癖くらいしか知らないこの人物と暮らしている。
私は大丈夫だろうか。
