そんなことを考えている間に花屋に着いた。

店に入るといきなり話しかけてくる女店員。

何故か満面の笑み。

「あの…っ、奈々さんの恋人さん、ですよね?」

と一言目で言われて驚く。

奈々は確かに俺の彼女だが。

何で知ってる。

俺が戸惑っているのを察したようで、店員が慌てて言葉を付け足した。

「あの、奈々さんに携帯の写真とか見せてもらってて!」

「あいつ…!」

思わず頭を抱える俺。

俺のリアクションを見た店員は流石に焦ったようだ。

えっと、と迷った後で言葉を付け足す。

「でも悪口とかは一切言わないんですよ、奈々さん!

いっつも素敵なノロケっぷりです!」

「フォローの方向性が違う…!」