「しっかりつかまってね」 子どもの持っていたバッグを自分の腕に通して、子どもをおぶった。 バッグの中をちらっと見ると、「うちの子クッキー」が入っていた。 「では、いきます。はい、シュッシュ・ポッポ」 (ちょっと、幼稚かな。ま、いいか) さっきは子どもを追いかけて走ってきた商店街を、今度は背負って帰って行く。 見た目はやせた子だが、背負うと意外に重かった。 子どもは、じっと負ぶさっていた。 この子は、話せば通じる子なのではないか。 そう思って、背中の子どもに話しかけてみた。