嘘つきラビリンス

「うーん、扇風機の箱だね。でもそこに百均のカバーつけておいてるから要らなくない?」


ロフトからトーマが空き箱を持ち上げる。

朝食を食べ終えて今はロフトの整理中。

本気で彼はロフトに寝るらしい。


「だけど、引越しの時いるかなって」

「うんうん、引越しなんて何年後かも分からないし要らないね」

「……失礼な」


確かに別れたばかりだし? 結婚してお引っ越し、なんて今のところ予定どころか想像すら出来ない。

じとっと睨むけど、トーマは気にすることなくロフトの奥に手を進めていく。


「これはノートPCの箱? うん、これも要らない」

「待って! 保証書がっ」

「大丈夫。それはもう抜いたから。はい、資源ごみ」

「……」