嘘つきラビリンス

シャンパン入れたのは覚えてる。

次に水割りを飲んでた。

その後は?

『俺も頂いていいですか?』

トーマ以外にも男の子が集まって、

『あのね、恋羽さん、システム分かってる?』

トーマに耳打ちされたけど、

『大丈夫! 私お金持ちなんだから!』

なんて答えた、気がする……。

確か、ホストクラブって男の子の飲んだお酒も払うんだよね?

ちょっ、待って……。


「ねぇ、トーマくん……」

「ん? なあに?」

「……おいくら?」

「ん?」

「えと、だから昨日の……」

「あぁ、55万円。切りよくしといたから」


にっこり笑うトーマに私の目の前は真っ暗になりかけた。