(なんだか、まだ落ち着かない。)



退院して、その足で、婚姻届けと出産届けを出した。
とても嬉しい気持ちはあるのだけれど、どこかまだ夢みたいな感じがして…
だって、私が青木さんと結婚して、子供まで産んだなんて。
どちらも、夢にも思わなかったことだ。
青木さんのことは大好きだったけど、恋人同士のふりをするだけで幸せだった。
しかも、私はもうじき40歳。
子供なんてすっかり諦めていた。
それが、双子の母になれたなんて、やはりまだ信じられない。



青木さんは、きっと子供が出来たから責任を取って下さったのだと思う。



愛しているとも、プロポーズするつもりだったとも言って下さったけど、まさかそんなこと。
私みたいに何の取り柄もない女を、青木さんが好きになられるはずがない。
しかも、まだ青木さんのご両親には何も言われてないみたいだ。
そりゃあ、言い難いわよね。
もしも、反対されたらどうされるつもりなのかしら。



青木さんはいつも以上に優しい。
その優しさに甘えているけど、良いのかな?
なんだかすごく申し訳ない。
今もまた、夕飯を買いに出かけられた。
私が料理が出来ないから、ご迷惑をかけてしまっている。
幸い、子供たちは、グズることもなく、お利口さんにしてくれている。