(あ……)



食事中に、スマホが震えた。



「何か急用でも?」

「あ、美幸さんからでした。」

「なら、放っておけば良い。
どうせつまらない用事でしょう。」

「え…」

気にはなったが、青木さんの出前、返信する訳にもいかず…



(美幸さん、ごめんなさい。)



「あ、そういえば、美幸さんとシュウさんはうまくいかれてるんでしょうか?」

「うまく、というか、恋人の振りをするということは、お互いわかってると思いますが、それからどうなっているのかはまだ聞いてません。
またシュウに、それとなく聞いておきます。」

「あ、あの…
シュウさんに、私たちのことを話したらどうでしょう?」

「え?」

「で、ですから、偽物の恋人だとバレないように、普段からLINEをしたり、会ったりした方が良いんじゃないかって…」

咄嗟の思いつきだったのだけど、なかなか良いことを言ったかも!?



「そうですね。それは名案だ。
そうやっているうちに、自然と仲が良くなるかもし…あ…」

青木さんが、急に慌てた様子で口をつぐまれた。



(あ……)



その理由に気付き、私は顔が熱くなるのを感じた。