『純平君は、私にとっては大切な友達です。』



不思議なんだけど…
シュウさんに訊かれて、そう答えたら、なんだかすごく気持ちがすっきりした。
なんていうのか、心の重しが取れたみたいな…そんな感じ。



どうしてだろう?
純平君は、私にとっての初めての彼氏だし、好きだっていう気持ちは恋愛感情なんだと思ってた。
だけど、そうじゃなかったのかな?
それとも、ゆみさんの件ですっかり冷めちゃったのかな?
私って、冷たい人間なのかな?



「そうなんだ。じゃあ、これからも友達として純平のこと、よろしくね。」

「……え?は、はい。」

ジョーさんの言葉に私は慌てて返事をした。



「僕は、アニメってあんまり見たことないんだけど、実写より良いものなの?」

「え…?あ、そ、そうですね。
アニメは、実写では到底出来ないことが出来たり…実際にはいるはずのない生物がいたり…魔法だってなんだって、ぶっちゃけ、なんでもありじゃないですか。
作者の思い通りの世界が作れるじゃないですか。
そこが魅力ですね。」

「へぇ、そうなんだ。
じゃあ、僕も機会があったら見てみようかな。
シュウも、アニメはあんまり知らないよな?」

「え?あ、あぁ……」

「今度、アニメの映画でも見に行くか。
あ、その時はひかりちゃんも一緒に行こうよ。ね?」

「は、はい。」

ジョーさんは、社交辞令で言ってるだけ。
そんなことはわかってるけど、三人でアニメを見に行くことが頭に浮かんだだけで、なんかドキドキしてしまった。