「和彦!」
部屋に入り、シュウが扉を閉めるなり、男性は俺の身体を強く抱きしめた。
「あ、あの…」
俺は、意味がわからず、どうしたら良いのか戸惑っていた。
「カズさん、どういうことなんだ?」
男性は、シュウの言葉には答えず、潤んだ瞳でただじっと俺をみつめていた。
「和彦…久しぶりだな。」
そう言われても、俺にはその男性に覚えはなかった。
「あの…どこかで、お会いしましたか?」
俺がそう言うと、男性は涙を指でそっと拭い、ふっと笑った。
「覚えてないのも無理はない。
おまえと別れたのは、おまえがまだ赤ん坊の頃だったからな。」
「え…?」
「俺は、高坂隆二。
おまえの父親だ。」
「え……」
その名前に記憶はあった。
そう…俺の父親の名前だ。
しかし、記憶は一切なかった。
母親は写真すら残さなかったのだから。
「あなたが、俺の……」
「あぁ…そうだ。
おまえがこっちにいることは知っていたが、まさか、こんな所で会えるとはな…
会いたかった…!本当に会いたかった!」
そう言うと、高坂は再び俺を抱きしめた。
あまりに混乱しすぎて、俺はどうすれば良いのかわからなかった。
自分の気持ちもわからない。
正直言って、彼のように会えて嬉しいという気持ちはなかった。
それも当然のことだろう、俺には、父親の記憶はないのだから。
それに、心の底には良くない感情の方が強かった。
結婚しても父親の自覚がまったくなく、それで母は父と別れたのだ。
それからは母親が一人で俺を育ててくれた。
つまり、捨てられたことへの憎しみのようなものが心の奥底には根付いていた。
しかし、今、目の前にいるこの男は、俺との再会を心から喜んでくれている。
人目もはばからずに涙まで流して…
そんな彼にいやな印象は感じるはずもなかった。
「どういうことなんです?
カズさんがカズの父親?」
「……驚かせてすまない。
でも、一番驚いたのは俺なんだ。
シュウ…こいつは俺の息子、和彦だ。
小さい時に別れたっきり、ずっと会ってなかった。
いや、一生会えることはないだろうと思ってた。
だから、嬉しくてな…」
その涙に濡れた笑顔に、俺は熱いものを感じた。
部屋に入り、シュウが扉を閉めるなり、男性は俺の身体を強く抱きしめた。
「あ、あの…」
俺は、意味がわからず、どうしたら良いのか戸惑っていた。
「カズさん、どういうことなんだ?」
男性は、シュウの言葉には答えず、潤んだ瞳でただじっと俺をみつめていた。
「和彦…久しぶりだな。」
そう言われても、俺にはその男性に覚えはなかった。
「あの…どこかで、お会いしましたか?」
俺がそう言うと、男性は涙を指でそっと拭い、ふっと笑った。
「覚えてないのも無理はない。
おまえと別れたのは、おまえがまだ赤ん坊の頃だったからな。」
「え…?」
「俺は、高坂隆二。
おまえの父親だ。」
「え……」
その名前に記憶はあった。
そう…俺の父親の名前だ。
しかし、記憶は一切なかった。
母親は写真すら残さなかったのだから。
「あなたが、俺の……」
「あぁ…そうだ。
おまえがこっちにいることは知っていたが、まさか、こんな所で会えるとはな…
会いたかった…!本当に会いたかった!」
そう言うと、高坂は再び俺を抱きしめた。
あまりに混乱しすぎて、俺はどうすれば良いのかわからなかった。
自分の気持ちもわからない。
正直言って、彼のように会えて嬉しいという気持ちはなかった。
それも当然のことだろう、俺には、父親の記憶はないのだから。
それに、心の底には良くない感情の方が強かった。
結婚しても父親の自覚がまったくなく、それで母は父と別れたのだ。
それからは母親が一人で俺を育ててくれた。
つまり、捨てられたことへの憎しみのようなものが心の奥底には根付いていた。
しかし、今、目の前にいるこの男は、俺との再会を心から喜んでくれている。
人目もはばからずに涙まで流して…
そんな彼にいやな印象は感じるはずもなかった。
「どういうことなんです?
カズさんがカズの父親?」
「……驚かせてすまない。
でも、一番驚いたのは俺なんだ。
シュウ…こいつは俺の息子、和彦だ。
小さい時に別れたっきり、ずっと会ってなかった。
いや、一生会えることはないだろうと思ってた。
だから、嬉しくてな…」
その涙に濡れた笑顔に、俺は熱いものを感じた。



