「本当に野々村さんには感謝してるよ!
野々村さんが来てくれなかったら、どうなってたことか…!」

家に帰ってしばらくしたら、ひかりさんから電話があった。



「そうだったんですか!」

やっぱり、今日の話の発信源はアッシュさんだった。
アッシュさんは洗剤を買った後、雑誌を買おうと本屋に向かわれたらしく、その時に私達を偶然目撃されたってことだった。
しかも、そのことをマイケルさんに話してる時に、それを青木さんに聞かれてしまったそうで…



「アッシュさん、謝ってたけど…仕方ないよね。
まぁ、悪いのは私なんだし。
それにしても、兄さん…なんで二人の話を立ち聞きなんてしたんだろう。
カンが良いっていうか、なんていうか…」

「青木さんはひかりさんのことを心配されてるんですよ。」

「その気持ちもわからないわけじゃないんだけどね…」

「ひかりさん…私、青木さんに言われたんです。
もし、KEN-Gさんがホストクラブに誘っても、絶対にひかりさんをそんなところには連れていかないでくれって。」

「うわ…そうなんだ…」

「はい。ひかりさん…これからは絶対にバレないようにしないといえませんね。」

「……そうだね。」

ひかりさんもしんみりされていた。
それも当然だ。
純平さんとひかりさんは一応両想いなんだし…
でも、それは、青木さんにはなかなか許してもらえないだろう。
それは、皮肉なことに、私やKEN-Gさんにとってはありがたいことだけど、でも、ひかりさんが好きなのがシュウさんだったとしてもそれは同じこと。

青木さんは、ホストが本気でひかりさんのことを好きになるなんて考えていらっしゃらないだろうから、絶対に許されることはないはず。



(とにかく今は、ひかりさんのお気持ちが純平さんからシュウさんに変わることを第一に考えなきゃ。)