「私ね、

 良平の手が大好きなの。」

「手?俺の?」

良平の手は私の髪をそっと撫でた。
こうやって与えられる何気ない優しさに
私はやられてしまうんだな。

「うん、
 あったかくて大きくて。
 安心する。」

良平はフフッと笑って、

「なら俺、お前の匂いが好きだな。」

「匂い?」

「これ?良平が誕生日にくれた奴だよ?」

「うん。お前に似合う。
 
 でもそれだけじゃないんだよな、
 ミモリの匂いが混じって、
 独特なそそられる匂い。」

「?ヤダ、汗臭いとか?」

クンっと自分の匂いをかぐと。

「ばあか、違うよ。」
 お前じゃなきゃこんな匂いにならないって事。
 ミモリの匂い。

 ミモリフレグランス?」

そういうと、
私の首筋に軽くキスして、
すうっと大きく息を吸い込んだ。

「うん。
 もう一回行けそう。」

 私をくるっとひっくり返すと、

くくっ

と笑いながら体重を乗せてくる。


私はそっと目を閉じて、
再び与えられるであろう幸せの時間を待つ。

愛しい温もりを感じながら。


「愛してる良平」





END.