「霞さん!」

「あ、なに?」

「委員会の資料、届けに来たんです!」


彼は錦織望(にしきおり のぞみ)

同級生で、同じクラス

生徒会の一員で、書記

陸上部のエースでもある


「わざわざありがとう」

「....いつになったら、陸上部戻ってこれるんですか?」


どういたしまして ではない、帰ってきた言葉に驚いた


「ごめん 私 あと三ヶ月は卓球部」

「ま、まじですか」


なぜか、であった時から敬語の彼


「俺、長距離県政大会で準優勝したのに、....」

はぁぁっとため息ついていう


「聞いたよ 校長先生が褒めてた」

「校長なんか、いいです!から、霞さんも褒めて下さいよ〜」


さらっと名前呼びしてるよね


「おめでとう」

「めっちゃ棒読み....」


「あ、そろそろ時間だからまた後で部活、頑張ってね」


「はいっ!また後で!委員会で!」


ブンブン手を振る彼は犬みたいな存在。


出会ったのはつい最近

同じクラスで


いきなり声をかけられた


「カバンのキーホルダー、ひっかかってる」

彼のカバンに私のキーホルダーがひっかかってて

「あ、ごめん!ありがとう」


とってくれた彼は


「いや、....」


あの時はすごいぶっきらぼうというか、敬語じゃなかったし....。


敬語になったのは、部活で


「マネージャー部の、陸上部マネ宮崎霞です」


自己紹介をしたときは、何もなかったけど

そのあとの、練習で


腹筋58回をこなしたとき、だっけ


「霞さん、あの、....俺、同じクラスで陸上部の錦織望です、腹筋60回目標なんですけど....教えてください!!」


いきなり声をかけられて。

陸上部で部活をやってるのに陸上部の錦織ですなんて....面白いなと思った


「いいよ よろしく」

ぱぁぁっと瞳をキラキラさせて

「お願いします!!」


ほんと、あの時から犬みたいで


つぎの日、委員会にいったとき


彼が生徒会の書記と知った