最初で最後の恋

私は、あいつのどこが好きなんだ?


いや、私はあいつの全てが嫌いで嫌いで嫌いで嫌いで。


どこもかしこも好きじゃない。


運動神経が良くて、女子にモテて、頭もそれなりに良くて、桜の木なんか世話しちゃって、イケメンで、


何もかもが完璧すぎて、何かが嫌だ。




私はとりあえず、




「えっとねぇ~…全部、かな」




と、言ってみた。




すると雅は、




「そっか。




…本当に?」




と言ってきた。




私の心臓がドクン、と大きくゆっくり動いた。




雅の眼が、何だか怖い。


雅が、雅じゃない……………。